外構・庭・門まわりを整える。見た目以上に大事な“外まわりメンテ”の話

外構や庭、門まわりの手入れ——つい後回しになっていませんか?
「外側だから生活に支障ないし」と油断していると、実は思わぬリスクが忍び寄っているかもしれません。
滑りやすくなった玄関、傾いた門扉、伸び放題の草木。
それらは見た目の問題だけでなく、住まいの安全性や資産価値にも深く関わります。
この記事では、外まわりの“本当の役割”と、その手入れがもたらす意外な安心について、やさしく解説していきます。
庭の手入れを怠るとどうなる?外まわりが抱える本当のリスク

「庭なんて、ちょっと荒れてても誰かに迷惑をかけるわけじゃないし…」
そんなふうに思っていませんか?
実はこの“ちょっとした油断”が、住まい全体にじわじわと悪影響を及ぼします。
ここでは、庭・外構・門まわりの放置が引き起こすリスクを、生活・健康・資産という3つの視点から見ていきましょう。
放置された庭が家に与える悪影響とは?
荒れた庭は、単なる“見た目の問題”では終わりません。
たとえば、伸び放題の雑草や枝葉がつくる“暗くて湿った空間”は、こんな問題を引き起こします。
実際に起こるリスク一覧
問題の種類 | 放置による影響 |
---|---|
景観の悪化 | 家全体が古びて見え、訪問者の印象も悪くなる |
害虫・害獣の発生 | 蚊・蜂・ネズミ・ダニなどが集まりやすくなる |
建物の劣化 | 湿気がたまり、シロアリやカビのリスクが高まる |
近隣トラブル | 雑草や害虫が隣家へ越境し、苦情や関係悪化の原因に |
「庭がちょっと荒れてるだけ」と思っていても、実は家の基礎や通気口、雨どいなど、目に見えない場所がじわじわと傷んでいくのです。
特に雑草や落ち葉が排水を妨げると、建物の足元にずっと湿気がこもる状態が続きます。
それは、家の“足元からの崩壊”に直結します。
外構や門まわりの劣化が引き起こすトラブル
門扉がギィギィと音を立てたり、玄関前のタイルにヒビが入っていたりしていませんか?
外構や門まわりは常に風雨と紫外線にさらされ、劣化が進みやすい場所です。
放置していると、以下のような“生活トラブル”に発展します。
危険な兆候チェックリスト
- 玄関アプローチのコンクリートにひびがある
→ つまずき・転倒リスク - フェンスがぐらついている
→ 強風で倒れる危険性 - ブロック塀にヒビ・傾きがある
→ 地震時の倒壊リスク - 門扉の開閉が重い
→ 防犯性の低下、非常時の避難妨害
とくに「古い基準でつくられたブロック塀」は、現在の耐震基準を満たさないケースも多く、法的リスクまで生じる場合があります。
点検や改修を後回しにしていると、いざというとき「なぜ放置していたのか」と責任を問われかねません。
参考リンク
▶ 建築:ブロック塀等の安全対策について - 国土交通省
見た目だけじゃない、家の寿命に関わる深刻な問題

荒れた庭や劣化した外構は、単なる“外側の不快”で済む話ではありません。
それらは、家全体の寿命を縮める根本原因にもなります。
たとえば…
- 雨水が排水されず、基礎まわりに溜まる
→ 湿気による腐食・カビ・シロアリ - 根が伸びて基礎に影響
→ ひび割れ・傾きの原因 - 雨どいが詰まって雨水があふれる
→ 外壁・基礎の劣化促進
また、自治体によっては「手入れが不十分な住宅」は“管理不全空き家”とみなされ、税の優遇除外や行政指導の対象となるケースも出てきています。
もはや、庭や外構のメンテナンスは「個人の趣味」ではなく、「住まいの責任」と言えるのです。
自分でできる庭の手入れと、道具選びのポイント

「プロに頼むのはちょっと大げさかも。でも、このまま放っておくのも心配…」
そんなときこそ、自分でできる手入れから始めてみませんか?
外まわりのメンテナンスには、意外と“ちょうどいい”セルフケアの方法があります。
ここでは、庭手入れの基本と道具選びのポイント、さらに手間を減らすための工夫まで紹介します。
初心者でもできる!庭の手入れを楽にする基本とコツ
庭仕事って、なんだか大変そう…と思っている方も多いはず。
でも、ポイントをおさえれば、時間も体力もグッとラクにできます。
「まず何から始めればいいの?」という人のためのステップ
- 雑草の処理
- 地表だけでなく根からしっかり抜くと再発が防げます。
- 面積が広い場合は除草剤+防草シートが効果的。
- 庭木の剪定
- 枝が込み入ってきたら「透かし剪定」。
- 剪定は基本、春〜初夏か冬がベスト。
- 落ち葉・枯れ枝の掃除
- 定期的に集めておくだけで、病害虫の発生を防げます。
- 水やり・通気確保
- 詰まった排水路や通気口のまわりは要チェックです。
作業をスムーズにするちょっとしたコツ
作業 | コツ |
---|---|
雑草対策 | 防草シートは“覆う面積”を減らさないのが鉄則 |
剪定 | 「忌み枝」(下向き・絡み枝)から順番に切る |
掃除 | 熊手+集草バッグで負担軽減。手で拾うより効率的 |
水やり | 朝か夕方がベストタイミング(蒸発を防げる) |
体験談:
「剪定って難しそう…と思ってたけど、“変な方向に伸びてる枝を切る”だけでも、庭がすっきりして気持ちいいですね」(築12年・女性)
揃えておきたい!庭の手入れに役立つ便利グッズと道具

「道具って何が必要?」という疑問に答えるために、まずは基本セットを紹介します。
初心者向けおすすめアイテム
道具 | 用途 | ワンポイント |
---|---|---|
剪定バサミ | 庭木の細枝カット | バネ付きなら疲れにくい |
草刈り機 | 面積が広い庭の雑草処理 | 電動式が扱いやすい |
高枝切りバサミ | 高い枝のカット | 軽量モデルを選ぼう |
スコップ | 土の掘り起こしや移植に | 柄の長さに注意 |
散水ホース | 広範囲の水やり | ホースリール付きが便利 |
集草バッグ | 落ち葉や草の収集 | 自立型タイプがおすすめ |
💡補足:
道具は「セット売り」「レンタル」もあります。
年に数回なら、保管スペースを取らないレンタルもアリです。
手入れのいらない庭づくりは可能?放置リスクとその工夫
「できるだけ手間をかけずに、きれいな庭を保ちたい」
そんな方に向けて、“ほぼ放置でOKな庭づくり”の工夫を紹介します。
具体的な工夫例
- 人工芝に変える
→ 年中青くて見栄え◎。手入れ不要。7年ほどの耐久性あり。 - 防草シート+砂利・ウッドチップ
→ 見た目もおしゃれに。雑草対策&ぬかるみ防止にも。 - 庭木の植え替え
→ 成長が遅く、落葉しにくい木に替えると掃除が減ります。 - スロープや手すりを設置
→ 年齢を重ねても使いやすい、バリアフリーな庭に。
放置しないための「最小限の管理」
月1回やること | 理由 |
---|---|
雑草チェック | 成長する前に取り除けばラクになる |
排水の確認 | 詰まりやすい雨どい・排水口は要注意 |
枝の伸び確認 | 隣家への越境や通気悪化を防ぐため |
道具の手入れ | サビや破損を防ぎ、次回も快適に使える |
「庭って、“整える”とこんなに気持ちいいんだ」
そう思える瞬間を、ぜひ体感してみてください。
業者に頼むなら?費用と選び方のリアル

「やっぱり自分では無理かも…」
庭や外構の手入れが負担に感じたら、業者に頼る選択肢も大いにアリです。
ただし、依頼するなら費用感や選び方をしっかり把握しておきたいところ。
ここでは、後悔しないための判断基準や料金の目安、優良業者の見極めポイントまで徹底的に解説します。
どこまで自分でやる?業者に任せる判断基準とは
「どこまで自分でできて、どこからプロに任せるべきか?」
この判断は、庭の状態×自分の体力や時間で決まります。
判断のポイント
状況 | 自分でやるべき? | 業者に頼むべき? |
---|---|---|
手入れが年に数回で済む庭 | ✅ | |
高い木や大きな木がある | ✅ | |
広さが10坪以上ある | ✅ | |
剪定・消毒・芝管理など専門作業が必要 | ✅ | |
雑草や庭木の量が少ない | ✅ | |
遠方にある空き家の管理 | ✅ |
💬補足:
危険を伴う作業(高所・脚立・電動工具など)はプロに頼むのが鉄則。安全第一です。
庭の手入れ業者の料金相場と、後悔しない依頼方法
「業者に頼むと、結局いくらかかるの?」と不安に思う方のために、料金のしくみと相場をわかりやすく解説します。
主な料金体系
料金の仕組み | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
日当制 | 職人1人あたりの作業時間で料金が決まる | 作業量が多く、内容が幅広い人 |
単価制 | 「剪定〇円/本」「草刈り〇円/㎡」など明朗会計 | 剪定や除草など内容が明確な人 |
具体的な料金相場(目安)
作業内容 | 単価(目安) |
---|---|
庭木剪定 | 小型:3,000〜5,000円/本、中型:〜10,000円 |
伐採 | 小型:3,000〜10,000円/本 |
除草(草刈) | 手作業:300〜1,000円/㎡、機械:150〜600円/㎡ |
💡注意:
このほかにゴミ処理費(500円〜/袋)や出張費、重機使用料がかかる場合もあります。
見積もりで「追加費用の有無」は必ず確認を。
後悔しない業者の選び方チェックリスト
- ✅ 無料で現地見積もりをしてくれる
- ✅ 料金体系が明確で、追加費用も事前に説明あり
- ✅ 見積もりは2〜3社比較する
- ✅ 丁寧で相談しやすい対応
- ✅ 実績や口コミに安心感がある
- ✅ アフターケアや保証制度がある
🎯依頼時のコツ:
「こんな庭にしたい」という希望は、メモや写真で具体的に伝えるとイメージのズレを防げます。
まとめ|自分でやる or 業者に頼む、わが家に合った庭手入れとは?
結局のところ、庭や外構のメンテナンスで大事なのは「どれだけ自分に合っているか」。
無理して全部自分でやる必要はありませんし、業者に丸投げすればいいという話でもありません。
タイプ別おすすめ方針 | こんな人におすすめ |
---|---|
自分で手入れ+部分的に依頼 | 普段は自分で。高所作業だけはプロへ。 |
業者に定期管理を依頼 | 忙しい・高齢・空き家管理が必要な人向け |
まずはセルフ+見積もり相談 | 費用感や作業量を知りたい人はまず相談から始める |
外まわりの手入れは、「家の未来にかける小さな投資」です。
手間を惜しまず、でも無理はせず。
あなたと家族にとっていちばん心地いい形を見つけましょう。